• 森川すいめい 著
  • A5/並製
  • 医学書院(版元
  • 2021
  • カバー・本文デザイン/DTP

本書「オープンダイアローグ 私たちはこうしている」は、北欧・フィンランドの精神科の病院でうまれた「オープンダイアローグ」という「対話のための手法」を実践するための手引書です。

事前準備はしない。メモはとらない。本人がいないところではその人の話をしない。医師がいなくてもかまわない。
オープンダイアローグは、継続的に対話の場を設け、複数の人間が車座になって向かいあい、語らうという行為を基本とします。
「ケアするもの」と「ケアされるもの」といった上下関係や、あらゆるわだかまりを取り払い、フラットな個人どうしとして向き合おうという姿勢は、「医師」と「患者」が室内で1対1で向かい合う従来のケア手法からすると意外性に満ちたものですが、それ故に、従来のやり方では難しかった新しい対話の扉を開いていけるであろうポテンシャルに満ちています。
日本と北欧、文化は大きく異なりますが、ぜひ日本の風土に馴染んで定着していって欲しいと願っています。

今回は、対話が困難な方のケアにまつわる内容なので、本そのものが全体的にやわらかく、温かい印象になるよう造本設計しました。
優しくもユーモアあるカバーイラストは、川原瑞丸さんに描き下ろしていただきました。
スマートな線と、やわらかなで繊細な色合いのイラストは、見る側の気持ちまで緩めてくれるようです。