• らんぷの本
  • 森伸之 監修/内田静江 編
  • 河出書房新社(版元
  • 2025. 06
  • ブックデザイン/DTP

2018年から始まった制服三部作シリーズ、昭和100年という節目の年に最後の1冊が刊行されました。

明治期に導入がはじまった学生服は、大正時代に女子セーラー服が誕生。
その後、ヤンキーカルチャーに伴う変形学生服の登場や、ブレザーの流行、着崩しを取り入れたギャル&腰パンファッション、環境や多様性への配慮を組み込んだラインナップの登場など、長い歴史の中で見た目もポリシーも大きく変化してきました。

今回の本では、歴史に留まらず、文化史・アートまで、学生服の昔と今を総ざらいする内容で、制服の形状そのものの変遷のみならず、「着こなし」にスポットを当てることで、思春期の学生らのコミュニケーションの実際や矜持も浮かび上がるという、新しい切り口で編集されています。
学生服に携わるメーカーや研究者、アーティストのインタビューも多数掲載され、資料としても読み応えのある内容となっています。

本郷の弥生美術館で2025年6月から開催された展覧会の図録も兼ねており、会場では、掲載された制服の一部が現物として展示されました。
本文でイラスト掲載されていた制服が実際に仕立てられたものも展示されており、新旧とりまぜた制服を着せつけたトルソがずらっと並ぶ様子は、まさに壮観でした。