• らんぷの本
  • 中村圭子 編著
  • A5/並製
  • 河出書房新社 
  • 2020
  • カバー・本文 デザイン/DTP

国内の文学作品に数多く登場する美しくも妖しい、尋常ならざる麗人たちを一同に集めた、らんぷの本シリーズの1冊『奇想の国の麗人たち──絵で見る日本のあやしい話』。
狐狸妖怪をはじめとするあやかしから生霊・神霊、はては白拍子や歌舞伎など性別を超えた芸能、稚児・陰間の世界まで、多種多彩で華やかなアウトサイダーたちがぎっしりと詰め込まれています。

日本文学では珍しくない異類婚姻譚やボーイズラブといったモチーフは、キリスト教をベースとする西洋の視点からすると衝撃的とのこと。
そういった多様性あふれる視点や発想が、はるか昔から豊かに展開されていたというのは興味深くもあり、嬉しいものもあります。

個人的に、神仏妖怪変化変の類は大好きなので、デザイン作業も楽しくてたまりませんでした。
しかし、植物相手の異類婚姻譚があるというのは今回初めて知りました。
古典文学とものがたりの世界、掘れば掘るほど、色々なものがでてきますね。
余談ですが、こちらの本は、お恥ずかしながら書名もご提案させていただきました。

今秋、東京都の弥生美術館にて、この本に関連した展覧会も予定されているとのことです。
コロナ絡みのもろもろが落ち着いて、無事に開催されることを切に願います。